Message from Taisuke Tsugimatsu about Ballade for Night Zoo

 

Ballade for Night Zoo

1. #6 “Far Night”

(*「#6」というのはアルバム全作を通じてのインタールード楽曲の通し番号です。)

SUZUKIの鍵盤リコーダーは可愛いんですが、僕の技術ではそれはもう使い物にならなかったです。と言いながら使ってるんですが。シンセはノー ドラックで作った音で、気に入っていて特典のVer.CDでも使ってます。
この曲は、僕の『long conte』というアルバムに入ってる「ハナイ」という曲がもとになっていて、それをもじって「Far Night」というタイトルです。ハナイにちなんで曲のテンポ、BPMは♩=87.1にしました(誰が気付くねん)。ただそのテンポが遅過ぎて、制作中、 前半部分がびっくりするくらい退屈でびっくりしましたが、色々工夫して最終的にとても気に入ってます。終盤の鳴き声や呻き声に聞こえる音はギター のフレットノイズをすごく遅く再生したものです。

instruments:Piano/Synthesizer/Synthesizer Bass (Nord Rack 2x),Glockenspiel/Pianica (YAMAHA P-32DP Pink)/Snare Drum & High-Hat/Cymbals/HandBell/Triangle/Keyboard Recorder (SUZUKI andes 25F)

 

2. King & Queen

ロードクリエイターの歌唱であまりに馴染み深い曲で、演歌で言えば新人歌手が与作やまつりをカヴァーするような、王道過ぎてある種のナンセンスと いうか大それたことをしているのはあったんですが、アレンジは頭の中で出来てたのでまぁいいやと、軽い気持ちで手を付けました。難しかったのはメ ロディーがAメロBメロの二つしかなかったことで、かといって自分みたいなよくわからないであろうミュージシャンが名曲に新たな構成を付け加える のはおこがましい気がして、でもこのアレンジで構成が二つというのはどうも面白くないので、①曲のコード進行にそぐうもの(突拍子のないものでは だめ)、②ぼくのオリジナルではないもの、そして、③単純なもの、というルールで「Ⅳ-Ⅲ-Ⅱ-Ⅰ(keyがCのとき、F-Em-Dm-C)」と いう構成を色々な箇所にブリッヂとして付け足しました。
これはうまくはまったなぁと思っています。
で、せっかくのカヴァー行為なので色んなスタンダードを散りばめたくて、キラキラ星やムーンリバーをにおわせるフレーズを挟み込んでいます。
今回ドラムとベースはレーベルメイト(この響きは友達が出来たようで嬉しい)のNabowaから、ゆうくん&いたるくんが参加してくれています。 最高にナイスです!

instruments:Drums/E.Bass/Piano/Hammond organ(XK-3c)/shaker/Tambourine/Hand Bell/Cymbals/Triangle/Cabasa

 

3. 霧の中

The Miceteeth時代の学くんの作曲/僕の作詞で、手前味噌ですが名曲だと思います。「夜明けの小舟」かそれの元になった(本アルバムにも収録されて る)「夏の沼」を聴いて、そんな曲を作ろうと思って作った、と当時学くんが言ってた気がして今でも嬉しいことです。取り様によってはガチのレズみ たいな歌詞ですが、そうではありません。「窓の外は霧の中~」つまり、この部屋の外のあなたは知らないけど、というフレーズが島耕作に出てきそ う。
誠心誠意カヴァーしたんですが、歌の録音がすっごい難しかった。。。
アレンジは古き良き角川映画(あんま知らないけど)みたいなとこを目指したんですが、そういうとこは割とうまく出来た気がして、とても満足です。 あと、トライアングルめっちゃうまくて自分でびっくりしたので、いつか誰か褒めて欲しいです。蟹の身をほじくるアレをペンチで加工して、それで叩 いてました。

instruments:Drums/E.Bass/Piano/Hammond organ(XK-3c)/Synthesizer/shaker/Tambourine/Hand Bell/Triangle/Cabasa

 

4. #7 “ibiqui”

一枚の写真のためにというか、一枚の写真を眺めながらぼーっと弾いていたピアノをそのまま、これは曲ですと言って曲認定した感じです。家で、練習 のために弾くのではなくて、僕ひとりがプレイヤー兼リスナーというときの、いい時間。
そういえば光で蓄電して光るおもちゃみたいなランタンがあるんですけど、それを蓄電出来しだい自動再生する小型の電子音楽プレイヤーに改造して、 15秒くらいのこの曲が勝手に流れる小物を、福島の立ち入り禁止地区にたくさん置いてまわったら、いつか帰って来た人にお帰りを言う役になってい いなと思いました。
家に帰ったときに、家族や愛する人の寝息があれば、たぶんそれは世界で一番優しい音楽、とまでは言いませんが一番優しい音には違いないでしょうか ら。だれもいない街に、せめて帰りを待っている音楽を置きたいなと思いました。
もちろん面倒くさくてやめましたが。

instruments:Piano

 

5. 静かな生活

ずっと以前にライブで販売していたCDに収録した曲で、そのときは4拍子(リズムはシャッフル)だったものを3拍子にし、歌詞も少し変えていま す。穏やかな暮らしは、穏やかなりにのっぴきならない様々な変化や危機があり、当事者にしか触れ合えない様々な機微があります。という曲です。 「漣の漣の影ばかりが揺れて見える」という歌詞は、なぜか小学生のときに暗記することになった北原白秋の「河童」の一節「漣は漣に、照り光、照り 光/まだまん丸い月も出ず暮れもやまず」から来ています。

instruments:Piano

 

6. U.F.O.

アニメ「一休さん」のエンディングテーマで、一休さんが月と自分の母を重ねるように、誰かが空に思い描かいた何ものかにもしも「U.F.O.(未 確認の飛行物体)」という肩書きを与えたとき、ひょっとするとこの世界は無数のU.F.O.で空を満たしているかもしれない。そんなのはもちろん 嘘っぱちで、ただの言葉遊びですが、忘れないことだけが供養だということがあるでしょう。仏教に根付いたおとぎ話を聞いて育つ国のぼくは、そう いった「こころ」だけを魔法のように捉えたがる癖があります。

付随する筈のすべてを持たない、形式だけの儀式のことを「冬の花火」と呼びました。
でもそれはそれで楽しい。
それと同じで、冬の海というのは本当に救いようのない救いだと思います。
ピアノソロはたくさんの星の空です。

instruments:Drums/W.Bass/ Piano/Synthesizer/Tambourine/Hand Bell/Cymbal

 

7. 夏の沼(Live for Night Fish)

音楽的に物心ついた頃からお世話になっている神戸cafe FISH!でのライブ録音で、ゲストにNabowaからバイオリンのひらくくんが参加してくれています。会場を知る人にはcafe Fish!独特の残響が見えるかと思います。ひらくくんは当日リハで一回通したくらいなのにしっかり合わせてくれて、感動です。
たぶん10年前に作った曲なんですが、むかし物件を探しているときに出会った三国ヶ丘の中庭付き平屋が舞台です。結局ピアノがNGで住むことがで きなかったんですけど。
構成を少し変えています。

instruments:Piano/Violin

 

8. Chime! Chime! Chime!(Live for Night Fish)

元ネタはThe Miceteethのギターのけいちゃん、トロンボーンひぐっちゃん、赤犬のバイオリンまるさんやex.ANATAKIKOUのドラム藤井さんとキーボー ド僕で、童謡などのカヴァーをする楽奏研究会なるユニットをやっていて、そこでチャイムのテーマもやっていました。構成などを付け足してのライブ バージョンで、Nabowaの三人のほか、jizueからきえさんがオルガンとグロッケンで参加してくれています。終盤のゆうくんのドラムがすご く好きでアルバムに入れました。

instruments:Drums/W.Bass/Piano/Organ/Violin/Glocken spiel

 

************************************

 

-Requiem for Night Zoo-

 

この特典CDは、アルバムのエピローグ的なものとして作りました。
ぜひ本アルバムを聴いてから、聴いて頂ければ嬉しいです。

 

1. too Happy to Sleep

曲名は「しあわせすぎて眠れない」というような意味です。
あいにく僕は幸せ過ぎて眠れなかったことは一度もないんですが、そういう状況の人がいたら単純に喜ばしいです。
なんか女の子っぽい曲になって少し恥ずかしいですが気に入ってます。
ちなみに、Ballade for Night Zooで使ってるピアニカは児童用の安もんですが、特典CDで使ってるピアニカは定価2万3千円もするいいやつです

instruments:Piano/Pianica(SUZUKI Melodion, pro-37)/synthesizer/Glocken spiel/Hand Bell

 

2. Bright Lights,Darknezz

おっしゃるとおり、曲名は「Bright lights,Big City」の影響です。Darknessのnessがnezzなのはネット用語のorzの影響で、がっくりきてるnezzの感じが可愛かったんです。安易 です。
「生まれ変われなかったものが 闇を重ね温め合う」、という感覚を伝えたくて、ぼくが頑張っています。
光り輝く闇の渦で、登場するのはフラミンゴと熊の鳴き声です。
どちらも家族を探して鳴いています(泣)。

instruments:Piano/Synthesizer

 

3. Snow and fire works

この曲とtoo Happy to Sleep(つまりは静かな生活とU.F.O.)は兄弟曲で、ピアニカのサビのメロディがおなじです。2種類のピアニカを使っています。雪のふる夜に花火 があがっていて、それをどこかの家族が見てる。他人事ですがその家族が幸せだったらいいと思います。

instruments:Drums/W.Bass/Piano/Synthesizer/Glocken spiel/Pianica(SUZUKI Melodion,pro-37&HOHNER Melodica,piano-27)/Tambourine/Hand Bell

 

************************************

 

こんなだらけた文章を最後まで読んで下さったみなさま、ありがとうございます。
今回8曲入りなんですが、くくりで言うと実はミニアルバムで、3年半期間が開いたのでリハビリ感覚で気楽に作ろうと思って作り始めました。
なので管や弦などは無しでドラムとベース以外は宅録でした。今回ミニアルバムを出して次にフルアルバムを出す、という流れがひとつで、照準はどっ ちかと言うと初めから次のフルアルバムに合っているので、ぜひ合わせてご期待下さい(新曲満載です!)。といっても今回が手抜きだなんてことはも ちろんありませんので。
ミニアルバムを挿みたかったのは、今回からようやく16chのハードディスクレコーダーを卒業してパソコンでの録音に切り替えたからです。パソコ ン、神ですね。
と言っても、染み付いたHDRの癖は抜けてなくて、トラック貧乏性というか、曲の終わり辺りに入れたい音を、曲の頭にちょろっとだけ音が入ってあ とは空いているチャンネルを見つけて「このトラックもったいないからここに入れよう」と入れてました。実はそのトラック、PANを右に寄せていた んですが、そのせいで曲の終わりの音もPANが右に寄っているのを製品が出来上がってから気付いたりしました。

そういうわけで、今回無事にパソコンで作業出来たので、準備はばっちりです。
アルバムを聴いて下さったみなさん、ほんとうにありがとうございます。
それでは、ぜひツアーでお会いしましょう。
チケットは当日でもかまいませんが、予約をすると色々な大人が安心します。

心から、ありがとう。

 

 
special thanks for relation and respect :
Nabowa、北山雅和(help!)、HAKASE-SUN、藤井学、森寺啓介、武井努、金澤義、和田拓、谷中史幸、高木聡、山田真也、門周、 Johan、藤井寿光、スナパンさん、林皇志(Silence Audio Recording)、タカハシヨウヘイ、佐々木順子、カッツくん、サボイさん、川嶋さん、あやさん、三浦知也、北山大介さん、ロマンティコロマンティ カ、ノヴェレッテ、ナカモノマサルさん、MaNHATTAN、長崎貴将さん(Galactic)、松岡一哲くん、マリイさん、岡崎優作、豊真将、 高安、勢、福島鉄平、北村康広、矢田和生、松澤友香、JAPONICA

Nina Simone & Johann Sebastian Bach

 

次松大助
Ballade for Night Zoo
(バラード フォー ナイト ズー)

DQC-1008 / 2,000yen(taxin) / CD / 8tracks / 2013.1.23 on sale
Released by bud music, inc. / Distributed by BounDEE by SSNW